ハリー・賢ちゃんとカイザーの石
ハリー・賢ちゃんとカイザーの石











…ここは「ポグワーツ魔法魔術学校行き特急」。
そこには一人の少年が乗っていた。
彼の名は「ハリー・賢ちゃん」。
実は魔法使いだったりなんかしちゃったりしちゃったりな11歳である。

「何それ…大体、なんでいきなり魔法使い?と言うかさ、『ハリー・賢ちゃん』って『名前・名前』じゃないの?」

ツッコミはいかーん。
何故彼がこの列車に乗ることとなったのか。
発端は約一ヶ月前、彼の親戚・ダークマスターズリー一家にて、孤児として預けられていた彼に届いた一通の手紙だ。
この手紙を見た時、ムゲンドラモン叔父さんとピエモン叔母さんはマジギレして、従兄弟のピノッキモンを軽く抹殺しかけたが、結局、その後やってきたある魔法使いによって、賢ちゃんはこの手紙の全容を知ることとなる。

「よぉハリー!俺の名前はルビウス・純平だ。この手紙を届けに…つーか出番これだけ!?」

時間がないんです。

そして賢ちゃんに問答無用で手渡された手紙…その驚くべき内容とは!?


拝啓 ハリー・賢ちゃん殿
貴殿のポグワーツ魔法魔術学校への入学を許可します。
つーか来て下さい。最近経営難なんです。
新学期は始まると思った頃にはもう始まってると思います。残念でした。

校長 アルバス・太一
PS・「けいぐ」ってどう書くんですか。



「…」

こんな、少々頭の可哀相な人が校長を勤める学校に入学することとなった賢ちゃんだが。

「あ、アハハ…大丈夫だよ、きっと!太一校長は今世紀最も偉大な魔法使いってだし…」

彼の席の向かいに座るのは、ついさっき知り合った啓人・ウィーズリーと。

「最も偉大な大馬鹿ってことでしょ、それ」

その隣に座る少女、留姫・グレンジャーだった。

…まぁ、分かるよね?
この三人が基本的にレギュラーです。
クレームは受け付けません。あしからず。

「そ、そんなこと言わないでよ!ケンちゃんが不安になるでしょ!?」

あぁ、そうそう。
それとついでに、伝書デジモンこと、ワームモン。

「ついでって何!?」

五月蝿ぇぇぇ!話が進まねぇんだよ脇がぁぁ!!

「ちょっ、僕の立場は…」
「あっ、城が見えたよ!」
「話最後まで聞いて…」

一行の乗ったロコモン特急はポグワーツ城へと到着する。
そこは、この3人プラス蟲ケラ以外にも、不幸にも手紙を貰った生徒で溢れかえっていた。

「何だよこの手紙〜!?」
「ダイレクトメール貰った方がよっぽどマシだったし!」
「マルチ商法じゃん!」
「校長死ね!」
「ちょwwwおまwwwケイグテラワロスwwwww」

「「「生徒メッチャ荒れてる…」」」

こんなんで大丈夫かよ!?
そんな気分の中、ポグワーツ城の大広間へと子供達は通された。

「静まりなさい!!」

キリキリとしたこの小説の雰囲気にはとっても似合わない声が大広間へ響き、新一年生はもちろん、席に座る在校生も静まり返る。

「私は副校長のミネルバ・空です。さて皆さん、ポグワーツへの入学、おめでとうございます。それでは早速、これより皆さんが入る寮の組み分けを始めます。寮は皆さんの家です。寮は全部で四つあります…」
「ハイ!知ってま〜す、アレでしょ、グ●フィンドールとハッフル●フとスリz
元ネタ叫ぶんじゃねぇよ赤毛のクソガキャアアァァァ!!


シ〜ン…。

「それでは、これより組み分けの儀式を執り行います。寮は…まぁいいでしょう。このキングエテモン帽子が…」
ちょっと待ってェェェ!!なんでキングエテモン!?あの先生、僕その帽子にはトラウマが…」
何か言いましたか、ミスター・啓人?
いえいえ何も…

キングエテモン帽子(キングエテモンの顔がそのまま帽子になっている)は突然動くと、一瞬啓人を嘗め回すような視線で見つめてから歌い始めた。


帽子の歌2005 winter edition:著作権と後楽園と私

作詞:駆動間苦労 作曲:竹千代
歌:キングエテモン



アチキは綺麗じゃないけれど
って誰だそんな事言ったやつは
そういうこと言う奴に限ってブサイクなんだFUCK

雨が降れば桶屋は儲からないんだって
ふ〜んそう それ今関係ないよね
私の為に死・ん・で 今夜ベッドを予約しておいたわ
おかーさーん! ポーツマスポーツマス
猫ひ●し?誰それ俺知らないよ
だから著作権なんて関係ねぇ
でもみんなに教えておくけど著作権ナメちゃいけないぜ
だから写真とか勝手に使わないようにしよう お兄さんとの約束だ!
こうらくえんでぼくとあくしゅ!(午後2時から!)
なんか歌詞ダレてきたからそろそろ寮の紹介しようか

正義の寮は文字通り
正義の味方の寮だぜベイベー
こうらくえんでぼくとあくしゅ!(500円!)

米の寮はまぁ、米好きが入ればえぇんとちゃう?
要するにジャップだね
関係ないけど何でアメリカって「米国」なの?
ちなみにこの寮脇役です

麺の寮も多分同じ
ぶっちゃけ米との違いわからんとです。ヒ●シです。
中国400年の歴史をナメちゃいけねぇ 0一個足りないじゃん!付けたしとけ
こっちも脇役 あってないようなもん

悪の寮はまさに悪!
強きを助け弱きを挫く
新世紀の価値観だぜ(ブラザー!)


(間奏・お好きな音楽で35秒お待ち下さい)


レペゼン・ジークジオン!
帽子の半分はやさしさでできてるからね
これ本当 広辞苑に載ってるアルよ
載ってないのはパチモンだべ。歌声よおこれ!
関係ないけどこの曲で来年メジャーデビューします
フィーチャリングヤダモンです
ヤダモンってデジモンなの?知らんFUCK!



「「「(何だこの電波ソングは!!)」」」
「ブラボー!ブラボー!」
「去年を上回る大作だわ!」
「俺、感動して涙が出てきた…」
「「「(マジっすか!!?)」」」

どうやら(少なくとも在校生の方は)既に常人の感覚を失っているらしい。
しかも寮の名前が正義・米・麺・悪!?
原作への背信行為も甚だしい。
大丈夫かこの学校!?

「えー、さて…早速寮を決めようと思うわぁ。そこの三人、正義
「「「(被りすらせずに決めやがったよこの帽子!!)」」」

余りにも破綻しているが、事実これがこの学校の伝統である。
非常に乱雑な決定だったので、寮分けは僅か3分で終了した。

そして、全ての生徒が寮毎のテーブルに座った時…校長が立ち上がった。
長い顎鬚に、白髪の割にしっかり整えられた髪、如何にも意味を為さなそうな眼鏡、そして…片手には炎のゴブr

早い早い早い!!それ三年後だから!お願いだから普通のゴブレット持って下さい!!」
ちっ…(舌打ち)
(何なのこの校長…)

恐らく…いや、絶対この中で彼を尊敬しているのは啓人だけだろう。
何せこの校長、チキン食いながらコーラ飲みながら涎垂らしながらスピークを始めようとしているのだから。

「えーゴホン、まぁみんなよく入学してくれた…デリシャス!!ワシがこの学校の校長、アルバス・太一じゃ…ボーノボーノ!!えー、入学したからには、君たちには次世代の魔法デジモン界を担う…」
「「「(食うか喋るかどっちかにしろよ…デリシャスだのボーノだの言ってんじゃねぇよ…)」」」

いい加減頭が痛くなってきた。

「…えー…さて。ごちそうさま。今年は君達に頼んでおかねばならん事がある…」

「ごちそうさま」の後、急に真剣な顔つきになる校長。
その空気の変化に、生徒達の緊張も一気に高まる。

「さて、今年の新入生の…ハリー・賢ちゃん!!
「は…ハイ!」

突然校長に名を呼ばれ、気が動転する賢ちゃん。
その重々しい空気…自らに集まる視線。
一体、この校長は何を自分に告げるつもりなのか。
その恐るべき瞳の迫力に、彼が偉大な魔法使いであることを改めて思い知らされる。
肩につくワームモンでさえ背筋が凍る気分だった。
そして。






「えーっとね、ちょっと悪の魔法使いを倒してきて。それと『カイザーの石』を守ってね。後ろの二人も協力よろしく」






…。





「「「フザけんなやこのクソ校長がぁぁぁ!!」」」

三人同時に吼えた。

「いや〜まぁ、学園生活描いたりすんの面倒じゃん?今のうちに倒しとこうよ」
「アンタ校長でしょうがぁぁぁ!しかも偉大な魔法使いじゃないの!?何で私達に頼むのよ!?」
うっさいわ小娘がぁぁ!お前ら生徒なんざ俺の奴隷なんだよぉぉぉ!!
「何だと校長ぉぉ!!死ね!バトルロワイヤルじゃああぁぁ!!」
「生徒を冒涜するとは許さねぇぞ校長!!」
「はいはいわろすwwww」
「おぅおぅ飯食わせて貰ってる身分でいい度胸だぁぁ!生徒全員かかって来いやぁぁ!俺様が相手してやらぁぁぁ!!」

何時の間にか双方の人間が立ち上がり、生徒VS教師の●山校ばりの状況が出来上がりつつある中、啓人と賢ちゃんは呆然と立ち尽くしていた(留姫はちゃっかり参加してる)が…その時、彼らの前に一人の教師が現れた。

「ハリー・賢ちゃんだな…」
「…は、はぁ、そうですが…」
「…」

先程監督生から聞いた彼の名は、セブルス・及川。
ハマリ役過ぎでしょ…とは啓人の言葉である。
恐ろしい風貌、睨み付ける視線…まさか、自分に何か恨みでも…。

お願いですからぁ…例のあの人を倒して下さいィィ…じゃないと校長にリストラされるんですぅぅぅ…校長に疑われてるんですぅぅぅ…
「「弱ッ!!」」

校長が疑ってんのかよ!?
最早真の敵は校長としか思えない位悲しい状況である。
しかしまぁ…仕方ない。
結局流されている気がするが、人助けと思って引き受けるしかなさそうである。
…しかし、「例のあの人」は何処にいるのだろう?
その時。



「がはははは!ご機嫌様バカ℃もォォォ!!」

突然、大広間の扉が開き、新参者が現れた。
黒いコートに身を包んだその男は…。

「俺様の名前はヴォルデ大輔卿!!そしてコイツがペットのブイモンだぁぁ!!太一先輩もとい校長!地獄の底から舞い戻ったぜェェェ!夜露死苦!」
「夜露死苦ぅぅぅ!!(byブイモン)」





……。





「「「(悪役乗り込んで来ちゃった…)」」」

最早ストーリー無視どころではない、初めから無きものとして扱われている。

…と、そんなことを言っている場合ではなかった!
闇の帝王が学校に侵入したのだ(しかも学内抗争中に)。
これは一大事である。


が。



「来たな大輔ェェェ!校長の俺が手を出すまでもねぇ、何せ今年は賢ちゃんがいるんだからなぁぁ!!行けぇ、我がしもべェェェ!!」

校長、戦う気満々。

「がははは、バカ℃もめ!俺様はパワーUPして帰ってきたのだ、その力を見るがいい!!」
「見るがイイ!(byブイモン)」

次の瞬間、激しい光と共に大輔が巨大化した。
言うまでもなく巨大ダイスケである。

「…か、勝てるハズないじゃん!巨大化してるじゃん!!」
「ぐあははは、これで分かったかバカ℃もがぁぁ…全員踏み潰してやるぜェェ!」

天井スレスレの大きさの巨大ダイスケは、大広間の机を蹴り飛ばし、生徒を弾き、大暴れを始める。
当然、賢達も逃げ惑う羽目になる。

「ちょ、ちょっとクソ校長!私達どうすればいいのよ!?」
「大丈夫じゃ!賢ちゃん、今こそカイザーの石を使えェェ!!」
「そんなモノ持ってませんよ!」
これじゃあああ!!

突然振りかぶり、太一は賢に赤い石を投げ渡した。

「…で、これを!?」
「それを高く掲げるのじゃ!そうすれば君は無敵じゃああ!!」

言われるがまま、敵の目の前で石を掲げる。
すると…。




ズズズズズズっ。





その時、奇跡が起こった。
激しい光が消えたその時、そこにはダイスケと同サイズのデジモンカイザーが立っていた。

「「なんじゃこりゃあああ!!」」

変わり果てた友人の姿に絶叫する啓人と留姫。
だが太一校長は自信満々の表情で、次の言葉を叫んだ。

「行くのじゃ、ワームモン!」


…え?
わーむもん?

改めて巨大カイザーを見ると、カイザーのサングラスの右側に、操縦レバーを握るワームモンの姿があった。

「「(ア●ロ!!)」」
ワームモン、行きます!

確信犯である。

「バカ℃もめ!そんなヘナチョコが巨大化した所で俺様には勝てぬわぁぁ!!」
「勝てぬわぁぁ!(byブイモン)」
「それはどうかな…行くよ!ケンちゃんウィップ!

ワームモンがレバーを動かすと、巨大カイザーは鞭を持つ右腕を高く上げる。

行っけぇぇぇ!!

ノリノリのワームモンが更にレバーを動かすと、鞭は一気にダイスケに向かい、そして。




ドスッ。




賢ちゃんウィップは、一瞬にして巨大ダイスケの頭を貫き、後頭部を通り抜けていた。

「「「(強ぇぇぇぇっ!!)」」」
「そ、そ…ん…な…」

巨大ダイスケは倒れ、次の瞬間消滅した。
こうして、正義の味方的要素が何一つないままカイザーの石は守られた。

ちなみに、この後カイザーの石が正気を取り戻した賢ちゃんによって砕かれたことは言うまでもない。



…メリークリスマス(間に合わせ的に)



完!




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