ナノモンシリーズ 第三章 ダストキングダムNEXT(通称K.O.E.D.A.M.E.)投稿作品 1 :MC Killing Joke:2012/03/08(木) 00:50:25 色白の少女は、今日もパソコンに向かいキーボードを叩いていた。 黒井白子、13歳。 ツインテールに黒のリボンを付けた髪型がチャームポイントだ。 「またこの人たち、デジモンの小説書いてる……」 白子はデジモンが大好きだった。 人気が無くなったと呼ばれて久しいキャラクターブランド。 今となっては、一番の応援者でなければいけない筈のファンたちが、デジモンのことを嘲うのが通例となっている。 「許せないですの……!」 この掲示板の住人たちはもっと酷い。 私の好きなデジモンで勝手に物語を作って、侮辱して……! 「私が審判を下してあげますの!」 白子は義憤に駆られ、掲示板に思いのたけを書き綴った。 自分のパートナーデジモンのこと、デジモンの歴史は永遠であること。 掲示板の住人たちに笑われても構わない、それでも私は──! その時、画面が激しい光を放った。 2 :MC Killing Joke:2012/03/08(木) 01:02:14 気づくと白子は平原にいた。 緑一面の世界。 建物も、車も、何もない。 目の前に立つ影を除いて。 「へへへ……」 そこには三人の男と、その後ろに控える人外がいた。 「な、何なんですの、あなたたち……!」 「あぁ?俺たちを知らないってのか?」 真ん中に立つ、キャップを被った細見の男が言う。 その後ろには、そびえ立つ雪山のような肉体を持つ獣人……よく知るデジモン、ゴリモンがいた。 「まぁまぁ師匠、怖がっているじゃないですか」 その隣にいる眼鏡の男はニヤニヤと下品な笑いを浮かべている。 彼に従っているらしい黒い蜥蜴型デジモン、ギルモンは鋭い目つきを彼女に向ける。 「何だっていいブヒ、女一人でこの世界に来るなんて不用心もいい所ブヒ!」 後ろに究極体・アヌビモンらしきデジモンを連れた男は、笑いながらアップルの元CEOのようなポーズを取っていた。 「何だっていい。俺たちの怖さを教えてやろうぜ」 「!?」 帽子の男の合図で、三体のデジモンが白子に飛びかかってきた。 3 :MC Killing Joke:2012/03/08(木) 01:19:30 「キャアアアアァァ!やめてですの!」 ゴリモンに取り押さえられ、黒いギルモンの爪が白子の着ている服をビリビリと破いていく。 黒を基調とした厚手の上着が裂け、きめ細かな白い肌が露わになるにつれ、白子の顔は羞恥の色に染まっていく。 「ブヒヒヒ!コイツは上玉ブヒ!」 「美しい……素晴らしいちっぱいですね。まずは僕に揉ませてください」 「甘ったれんな!まずは俺がやる!」 帽子の男が彼女に掴み掛り、押し倒す。 痛みと嫌悪感から、白子の目に涙が浮かんだ。 「うぅ、グスッ……酷いですの……!」 「あぁ、泣いちゃったブヒ!かわいそうブヒ!三森先輩並にかわいそうブヒ!」 「ブラを!まずはブラを!」 帽子の男が手を伸ばそうとした時、白子は必死の抵抗で腕を振り回す。 平手が偶然にも帽子の男の頬に当たり、その音が周りに響いた。 「あ……」 場の空気が一瞬、凍る。 白子は、帽子の男の目つきが変わったことに気づいた。 4 :MC Killing Joke:2012/03/08(木) 01:26:40 「てめぇ!老害の頬を叩くとは何事だ!」 「きゃっ!」 無理やり立ち上がらせられる。 衣服を整える間もなく、彼女の体に何か巨大な手がかけられた。 「ゴリモン!その女を滅茶苦茶にしてやれ!」 ゴリモンが彼女を押し倒す。 白子は興奮状態にあるゴリモンの咆哮に恐怖した。 そして獣人の下半身についたビック・ダディ・ケインがまるで58マイクの如く怒張しているのを目撃した。 男たちの下衆な笑い声が耳にこびりつく。 「(誰か、誰か助けてですの──!!)」 5 :MC Killing Joke:2012/03/08(木) 01:43:18 「待ちたまえ!」 その時、どこからともなく爆発が起こった。 男たちも白子もその音に驚き、その方向に振り向く。 そこには、爆発に巻き込まれぐったりと倒れる黒いギルモンの姿があった。 「その女性を離したまえ。嫌がっているではないか」 白子の位置からは声の主は見えない。 だが、男たちとは別の何者かが、明らかに自分を助ける目的で戦っている。 「何だてめぇブヒ!」 スティーブ・ジョブズ似の男の合図でアヌビモンが動き、次の瞬間地面から異形の怪物が生まれた。 「異世界からの怪物、アミメットか……だが、私の前では無力だ」 激しい稲妻が巻き起こったかと思うと、今度はアヌビモンが倒れる。 スティーブ・ジョブズの悲鳴が響き渡った。 「アミメットは空想上の怪物、私の空想の力には敵わない」 「ゴリモン!奴を殺せ!バラバラにしろ!!」 帽子の男の怒りの声とともに、ゴリモンが白子を離し、声の主へ突進していく。 そこで白子は声の主の姿をようやく見ることができた。 ゴリモンよりも遥かに小さい。 しかし、あの姿はやはり──。 「悪いが、君が私に殴りかかろうとする遥か以前に、私の勝ちは確定している」 声の主が腕を上げた瞬間、それを合図にゴリモンの体に激しい爆発が起きる。 と、同時に、三人の男の体にも爆発が起き、声の主以外でその場に立つ者はいなくなった。 「あの……嬉しいですの……ありがとうございます、ですの……」 「礼には及ばない」 「もしよろしければ、その……お名前を……」 「名前?」 小さい彼はフッと笑い、白子に手を伸ばした。 「通りすがりのただの工場長だよ」 そのデジモン──ナノモンは、白子のおっぱいを揉むと、風のように去っていった。 Fin. |