時空を超えた戦い - Evo.39
Digimon Carnival!! -描写と小ネタ解説-


場面1:地下道の戦闘。狭い場所での殺陣は個人的に大好き。今回は少し「マトリックス」風味ですね。敵がゴリモンなのは言うまでもなく僕の友人へのbeefを狙っての配役です。ちなみにエネルギーカノンの発射口へ攻撃して倒すという方法はテイマーズ第4話のオマージュ。

場面2:一人の生い立ち。新潟県が出身なのは僕が新潟人だからです。ここで以前書いた短編の「Time to Go」と繋がります。(「Time to Go」の冒頭で一人が「おじさん?」と発言しているのは、この時点で両親がいないためです)一人が限られた友人にだけドルモンを紹介するのはテイマーズ第15話の真似。多数の子供がデジモン一匹を大人たちから隠す構図はリアルなら多分こうなる。

場面3:学校。一人の友人が全員(不要なほど)キャラづけられているのは、こいつら全員僕の中で何年間も醸造していたキャラだからです。名前はコロコロ変わってますが。お察しの通り坊主頭の彼は成田隆次の長男(沙羅の弟)です。

場面4:プレハブ小屋。通称“ドルモンホーム”。当然ながらギルモンホームに対してのネーミングです。あと言うまでもないですが、ドルモンが食べてるのはギルモンパンです。
この場面での会話が後半の伏線になってます。ちなみに場所は錦糸町周辺を想定。

場面5:スキー場。僕自身(何年もやってないですが)スキー大好きなので、雪山を舞台にした展開は昔からやってみたかったのです。地域の名前は出していませんが、越後湯沢を想定しています。大学の卒業旅行で行った思い出の土地です。

場面6:休憩所。タマネギへの可愛がり。

場面7:スキー場〜デ・リーパーとの戦い。当初この場面ではヴァイクモンを敵役として想定していたのですが、アニメとの整合性を考えデ・リーパーに変更(一人視点ではデ・リーパーという名前など分かるはずもないので、「異形」などの表現を使っています)。久しぶりにカードスラッシュもできて満足。そしてメインは中村角煮さん作「幾千のアポカリプス」からの出張出演・アダムスハンズ。今回はサーチャーと組み、楓香のデータを採取して楓香型の上半身を形成しています。腹部に鉛筆などが出現したのは楓香の記憶も探っているため。ドルモンの頭部とデジヴァイスは彼女の願望を現しています。デ・リーパーは元々化け物然としている存在ですが、この変形はかなりエヴァの使徒(特にアルミサエル)っぽくなってます。余談ですが投稿後に角煮さんとスカイプで話していたら、この件について打ち合わせもしてないのに「当初アヌビスでアダムスハンズの上半身が女性化するという案があった」という話を聞き、大変驚きました。

場面8:病院。今回の話で一番明確な「映像」が脳内に浮かんだシークエンス。この辺りでの一人の心理描写は割とあったのですが、投稿直前でクドい気がしてかなり削りました。

場面9:夢。「シグルイ」第8巻の藤木源之助の夢のオマージュ。なぜこの夢を見たのかは次のシークエンスで明らかになります。

場面10:ドルモンホーム。一人にとって楓香は友達であり恋い焦がれる存在でしたが、同時に劣等感を覚えてしまう相手でもあります。楓香はクラスのミューズです。一人は太一や大輔のようなクラスの人気者でもなく、啓人のような純真な心を持つ少年でもありません。どちらかと言えば図書館にこもり続ける影のある子供です。その少年がデジモンという力を得て「自分は特別なんだ」と感じ始めた矢先、楓香が自分よりも上手くドルモンを使い、デジヴァイスも無いのに敵デジモンを倒してしまう。その状況は雪山でのデ・リーパーの戦いまで変わることはありません。そしてそのまま楓香という存在がいなくなってしまい、どこにも感情をぶつけることができなくなってしまった……というのが、一人の物語です。


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